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一見ちゃっちいがなかなかタフ。コンパクトに収まるので車載にも良いでしょう。
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AMTの難しさと発展性(SUZUKI Swift)
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    AMTといえば、フィアット/アルファロメオのデュアロジック/セレスピードがかなり熟成しているが、ココで言われているトルク抜けのことはほとんど考慮されていないのだと思う。
    もはや慣れてしまったとはいってもカミサンの運転ではダイレクトにこのトルク抜けが出る。自分の運転時にはアクセルを抜いたり、あえて手で変速指示を出したりしている。ハイブリッドでこの部分を補ったと言うのは、ハイブリッドの使い方を変えたと言っても過言ではないだろう。どちらかと言えばトヨタのハイブリッドとは真逆の技術アプローチであろうと思う。

     あとは軽量化と言う課題を見事に進めていることである。軽量化は燃費だけでなくクルマの操作全てに反映される事象だから、これはすごいことなのだ。ハイブリッドが一番無駄と思うのは重量の増加でプリウスはあの車体サイズで1.6tを超える重量がある。重い車体は結局大きなエネルギーを使うからエコではないわけで、HVはエコという大嘘をついていると思う。

    これは期待したい。

    スイフトに追加された驚異のハイブリッド
    7/31(月) 7:04配信
    ITmedia ビジネスオンライン
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170731-00000023-zdn_mkt-bus_all
     2016年の暮れも押し詰まった12月27日、スズキは主力小型車であるスイフトをフルモデルチェンジして発売した。国内ではBセグメントのコンパクトな5ドアボディ1種類(インドではセダンの設定あり)。搭載するエンジンは2種類で、1リッター3気筒直噴ターボエンジンと、1.2リッターエンジンに発電機兼用のモーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドという構成だった。

     新型スイフトは新旧最軽量モデル比で120キロもの軽量化を果たした新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」をひっさげ、「走る、曲がる、止まる」というクルマの基本性能を向上させた意欲作と言える。若干古典的な動力特性のターボと比べると、実用域でのリニアな加速感に優れるマイルドハイブリッドは毎日の相棒としてなかなかの佳作モデルだ。

    ●わずか半年後の革命的追加モデル
     ところが、スズキはそれから約半年後の7月12日、今度は発電機兼用ではなく、駆動専用のモーターを搭載したストロングハイブリッドモデルを発売したのである。

     余談になるが、教科書的にはマイルドハイブリッドとはモーターのみでの走行ができず、モーターはあくまでもエンジンの補助として使われるタイプのハイブリッドで、ストロングハイブリッドはモーターのみでの走行も可能なモデルを言う。

     マイルドが付くか付かないかで一応の違いはあるにしても、消費者にとっては何が違うのかが少々分かりにくい。価格を見てみればマイルドハイブリッドの最廉価モデルが162万5400円、対して(ストロング)ハイブリッドの最廉価モデルは166万8600円。差額は4万3200円と大した差ではない。

     ところが、走ってみるとこれが大違いなのだ。それはスズキが発明した「コロンブスの卵」とも言える新しいハイブリッドシステムのお陰である。

     スズキのアイデアの核となるのは、スズキがオートギヤシフト(AGS)と呼ぶ、ロボタイズド・マニュアルミッションだ。聞き慣れない言葉だろうが、人間がクラッチを踏んでシフトレバーを動かし、マニュアルトランスミッションを操作する動作を模倣し、油圧や電動のアクチュエーターでクラッチとシフトを操作して旧来型のマニュアルミッションを制御するタイプの自動変速機だ。

     ロボットにマニュアルトランスミッションのシフト操作を代行させるのでロボタイズドとかロボット変速と呼ばれる。このあたり用語が統一されてないので名前がいろいろあってややこしいが、「ロボタイズド」「ロボット変速」「AMT(オートメーテッド・マニュアルトランスミッション)」などが一般名称、スズキの商品名が「AGS」ということになる。名前がブレるのは普及していないからだ。ここではAMTに統一する。

    ●これ1つで世界のマーケットをカバー
     さて、スズキはご存じの通りインドで大成功を収めている。インドでは今猛烈な勢いでクルマが普及しており、そうすれば当然イージードライブの要求は出てくる。ところが、従来のトルコンステップ型のオートマや、CVT(無段変速機)、あるいはDCT(ダブルクラッチトランスミッション)などの変速機は新興国ではインフラ的にメインテナンスが難しい。本来はクリーンルームで整備しなくてはならない精密機械なのだ。つまり、オートマ需要の増大が予測されるが、既存のオートマはどれも投入しにくいというのがインドの現状である。

     従って、これまではマニュアルトランスミッション1本で戦ってきたのだ。スズキはここに投入できるイージードライブ用トランスミッションとしてAMTを開発し、現在インドにトランスミッション専用工場を建設中である。何と言っても変速機の本体は頑丈で単純なマニュアルトランスミッション、どこでも修理が可能だ。追加されるアクチュエーターは壊れればそっくり部品交換で済ますことができるので新興国でも心配ない。

     ところがこのAMTは先進国ではすこぶる評判が悪かった。特に日本では拒絶に近い反応である。何がそんなに嫌われるのかと言えば、「トルク抜け」と呼ばれる現象だ。アクセルを踏んでクルマが加速する。エンジン回転が一定まで上がると、AMTはクラッチを切って変速操作に入る。この間、クルマを押していた力が抜け、グッと失速したように感じる。全開加速の場合など本当に頭が前に振られるような感じを受ける。マニュアルトランスミッションに乗り慣れた人なら、変速ポイントを感覚的に覚えて、そこで少しアクセルを抜いてやれば比較的スムーズに加速することもできるのだが、そういう面倒なことが嫌だからと自動変速機を選ぶという人にとっては、かなり不快な現象だったのである。

     ということで、国産小型車の国内向けモデルの大多数には変速が滑らかなCVTが搭載されている。ユーザーの嗜好に合わせるならそうするより他は無かったのである。

     そうした中、スズキはAMTのドライバビリティ向上に、ハイブリッドを使う手を編み出した。スイフトに先んじてソリオに搭載されたこのシステムは極めてクレバーで、トルクが抜ける時にトルクの落ち込み分をモーターで加勢してやれば、失速感を感じないはずだという理屈に基づいている。

     ただし、それを製品化しようとするのは簡単ではない。大抵のハイブリッドシステムはトルクを断続するクラッチのエンジン側にモーターが付いている。これだとクラッチを切るとエンジンとモーターがどちらもタイヤに動力が伝えられないので、トルク抜けのケアはできない。それをさせるためには少なくともクラッチより下流にモーターを据え付けなくてはならない。クラッチを切ってエンジントルクがタイヤに伝わらなくても、モーターがクラッチより下流のタイヤ側にあればモーターでは駆動力がかけられる。

     スズキの場合、「エンジン→クラッチ→トランスミッション→デフ」と並ぶパワートレーンの最下流にモーターを取り付けた。しかもモーターのトルクを増大させるために減速機を備え、チェーンを使ってモーターの動力を伝える仕組みを構築した。

     さて、こうすると何が良いか? 新興国も先進国も全部同じマニュアルトランスミッションを使える。新興国のローコストニーズにはベーシックなマニュアルトランスミッションを。新興国のトルク抜けにあまりうるさくないイージードライブニーズにはそれにアクチュエーターを加えたAMTを。変速に洗練を求める先進国ではこれにハイブリッドを加えてやれば全てのニーズに対応できる。つまりコンポーネントの追加だけで世界の市場のニーズに応えられることになる。これによるコストダウンは莫大なものになるだろう。

    ●技術と見識
     しかしそもそもベースとなるマニュアルトランスミッションは性能的に優れているのだろうか? 実はマニュアルトランスミッションは、安価、軽量、小型、高信頼性で駆動力の減損も最小。しかもトルク伝達のロスがほぼ無いので、ダイレクトなフィールで運転感覚的にも優れ、美点ばかりである。後出し的に言えばAMTの欠点は唯一「トルク抜け」だけだったのである。

     実用車用として考えれば、スズキのAMTにハイブリッドを加えたシステムは現時点で究極のトランスミッションだと言える。

     軽量小型という面で言えば、この究極のトランスミッションとHEARTECTの相乗効果で、スイフト・ハイブリッドは、ストロングハイブリッドでありながら1トンを切る車両重量940キロに収まっている。どれだけスゴいかは、非ハイブリッドのBセグメントの各社最軽量モデルと比べるとよく分かる。日産マーチ(940kg)、トヨタ・ヴィッツ(970kg)、ホンダ・フィット(970kg)、マツダ・デミオ(1010kg)。重いのは当然とされてきたハイブリッドなのに、スイフトの他モデルを除けば、マーチと並びセグメント最軽量である。そのせいもあってJC08モード燃費は32.0km/Lとトップクラス。実に自動車の歴史に新たな1ページを加えるほどの事件である。

     実際に乗ってみるとどうか? それでフィールが悪ければいくら理屈だけ良くても話にならないが、システムの制御がすこぶる良い。見切りの見事さに驚いた。モーターはエンジンとは比較にならないほどレスポンスが良いので、やろうと思えば技術的にはトルク抜けを完全に消すこともできたはずだが、トルク抜けを不快ではない程度に意図的に残している。

     CVTに乗ると分かるが、無段階変速は人間の感覚と合わない部分がある。そろそろ加速を止めようとアクセルを緩めているのに、エンジンの回転が下がりながら速度が上がって行く現象はその象徴だと言っても良い。音やリズムの変化と加速の関係性は人の感覚に沿ったもので無くてはならない。変速というメソッドをクルマの走行に必要なものと考えるならば、本来加速中の変速時は少しだけ加速が弱まり、変速後にエンジンの回転が一度下がってから再びトルクで押し出されるべきである。そういう自然な感覚がスイフト・ハイブリッドにはきちんと作り込まれていた。その意図的に残された加速抜けは恐らく気にしない人には分からない程度であり、うるさ型の人には機械が何をやっているかがよく分かるセッティングになっている。

     筆者は試乗から戻って「こういうセッティングになったのは偶然なのか?」とエンジニアに聞いたが、偶然でも何でもなく、納得いくセッティングになるまで何度も何度も微修正を加えて粘った結果だと言う。その見識には正直舌を巻いた。お見事としか言いようがない。

    ●国産Bセグメントの白眉
     もう1つ、わずか半年で乗り心地が大きく改善されていた。ダンパーの微速域の動きが明らかにスムーズになり、往年のフランス車のような穏やかで平穏な乗り心地になっていた。柔らかいにも関わらず、抑制がしっかり効いており、微舵角から大舵角まで非常に素直なハンドリングと乗り心地が高次元で両立されている。恐らくはCVTよりダイレクト感の高いAMTと、アクセル操作に対してトルクの出し入れのレスポンスの良いモーターのお陰で、タイヤの駆動力がドライバーの意思に忠実にコントロールできることがそういう結果を生んだと考えられる。

     ベースとなったスイフトの欠点は、ペダルのオフセット、骨盤の前後ホールドが少し緩いシート(ただし左右方向の骨盤保持はかなり優秀)、下を切り落としたD型のハンドル(テコの長さが場所によって変わるのは理想的ではない)、視認性よりデザイン性を重視したメーターの4点だった。それらは元のままで直っていない。

     ハイブリッドモデルのみの欠点と言えば、バッテリーの充電状況と負荷の様子で時折エンジンを止めてモーターのみの走行になったとき、エアコンが止まってモワッとすることがあった。エンジニアによれば「一応エバポレーターの温度を測ってできるだけエアコンが効かない状態は回避しているんですが……」とのこと。試乗日は強烈な暑さだったと言うことは一応添えておく。しかしスイフト・ハイブリッドを全体で見れば、それらの欠点を埋めて余りあるほどパワートレインとサスペンションの出来が素晴らしい。ペダルオフセットさえなんとかなればという気持ちは強いが、筆者は試乗の間中ニコニコしていた。

     今、国産のBセグメントでスイフト・ハイブリッドとまともに戦えるのは恐らくデミオのガソリンモデルだけだろう。ペダルレイアウトではデミオの圧勝だが、乗り心地に関しては少しスポーティーに振ったデミオより、穏やかだがハンドリングを犠牲にしていないスイフトに軍配を上げたい。Bセグメントの購入を考えているならば、スイフト・ハイブリッドは要チェックである。

     しかし、これだけの革命的な仕組みを持つモデルを「スイフト・ハイブリッド」という何の変哲も無い名前で売り出すしか方法はなかったのか。スズキはもう少し欲を持った方が良い。スゴいものはスゴそうな名前でないと分からない。
    (池田直渡)
    | 好きなこと(クルマ・バイク) | 18:55 | comments(0) | - |
    操る楽しみは小排気量車だった
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      80年代に2輪車に使って過ごしたものにとっては、結構衝撃の事実だったりする。50ccは道路を走る楽しさ、乗り物を操る楽しさ、変わった景色を見に行く日常からのワープマシンだった。
      2ストロークは燃焼カスのオイルをまき散らかして走るから、背中は焼けたオイルで薄汚れるようなことは当たり前だった。しかし、2ストの圧倒的な加速とパワーバンドに入った時の豹変振りには少なからず酔ったものだ。一種の中毒である。しかし、乗り手を選ぶ2ストこそ操る楽しさを学ぶ機械だったのだ。「機械は万能ではない。だから人と機械が力を合わせて走るのだ」というマンマシンインターフェースの原点がココなのだ。
      環境が変われば消えていくものも多い。それは役目を果したからだ、と思うようになった。消えると言うのは社会でのメインストリームではなくなる、と言うことであり、心ある人たちが引退した機械をいたわるように残していくことに代わっていくことを意味する。滅亡と言うのは言いすぎで異なると思う。

      池田直渡「週刊モータージャーナル」: 目前に迫った50ccバイクの滅亡 (1/3)

      かつては若者のライフスタイルの象徴だった二輪車だが、この30年で保有台数が約700万台も激減した。この夏も数多くの二輪車が生産中止になる。なぜこのようなことになってしまったのだろうか……?
      [池田直渡,ITmedia] http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1705/08/news040.html#utm_source=yahoo&utm_medium=feed&utm_campaign=20170731-023&utm_term=zdn_mkt-bus_all&utm_content=rel2-00
       1980年代、二輪車は多くの若者にとって今よりも身近な存在だった。多くの若者は16歳になるとバイクの免許を取り、排気量をステップアップしながら18歳を迎え、やがてクルマに乗り換える。それはごく普通の若者のライフスタイルだったのだ。

       1985年の二輪車の保有台数は約1820万台。それが2015年には約1150万台へと激減している。昨年のスズキの決算発表では、鈴木修会長が「二輪については耐えるしかない」と事実上打つ手なしのコメントがあった。業界トップのホンダも事情は同じ、見通しは極めて暗い。なぜこんなことになったのだろうか?

      名車モンキーの生産終了
       そしてこの夏、数多くの二輪車が生産中止になる。その中には、長年多くのユーザーに支持された名車も含まれているのだ。例えば、ホンダ・モンキーは、アミューズメント施設「多摩テック」で子どもたちに「操る楽しさ」を感じてもらうため、1961年に作られたアトラクション用バイクに端を発し、1967年に一般向けに発売されて以来、50年に渡って多くの人々に支持され、日本の二輪車文化の中で大きな役割を果たしてきた。

       人気もあり、文化的にも重要なこのモンキーが生産終了になることを嘆く向きは多い。結論から言えば、それはついに50ccエンジンが、排ガス規制に対応できなくなったからだ。

       四輪車は1960年代から排ガス規制が始まり、1976年(昭和51年)、1978年(昭和53年)に一気に規制値が厳しくなった。メーカーの多大な努力によって、それを乗り越えてきた歴史がある。

       ところが、二輪車は1999年(平成11年)規制まで、長きにわたって事実上規制の埒外(らちがい)に置かれてきた。規制はあるにはあったが、2サイクルエンジンでもクリアできる程度の緩やかな規制だったのだ。クルマに比べれば圧倒的に燃費が良い二輪車の場合、燃料消費量にひも付いて有害ガスの排出量が少なく、当然環境への影響も限定的なものと思われてきたことが大きいが、小排気量から馬力を絞り出さなくてはならない二輪車の場合、排ガスをキレイにするのが難しかったのも事実である。
      1980年代前半。ホンダとヤマハは毎週のように新型車を発表してHY戦争と呼ばれた。50ccスポーツモデルは7.2馬力の自主規制の中で、国内4メーカーが激しく争った。ホンダMBX50は勝利を収めたとは言えなかったが、時代を代表するモデルであることは間違いない。

      遅れていた二輪車の排ガス規制
       特に50cc以下(道路運送車両法では原付一種)という排気量はほとんど日本専用のガラパゴス商品で、世界的に見れば排気量の最下限は125cc以下(同じく原付二種)になっている。現在二輪、四輪を問わず、排ガス規制は統一化に向かっており、世界の排ガス規制が「125ccでギリギリクリアできる」限界を狙って厳しくなれば、その半分以下の50ccで規制をクリアするのは難しい。

       これまでたった50ccのエンジンが実用性を持ってこられた理由は2つある。
      1999年(平成11年)の規制で、2サイクルエンジンが駆逐されて以降も四輪車の規制と比較すればまだ緩やかといえた。1つは吸排気のバルブタイミングの問題だ。燃焼室の排気ガスをしっかり抜くことを掃気と言うが、掃気性能の向上のためには吸気バルブが開いた後も排気バルブを開け続けた方が良い。燃焼後のガスをしっかり排出すれば、限られた燃焼室容積により多くの混合気を満たすことができる。
       ただし、この方式には欠点があって、しっかり掃気しようと思えば、未燃焼の混合気が排気管に吹き抜けることと引き替えになる。未燃焼混合気が吹き抜ければ、炭化水素(HC)が排出されてしまう。HCとは要するにガソリンのことだ。

       もう1つ、空気と燃料の比率、つまり空燃比だ。排気ガスが最もキレイになるのは理論空燃比14.7:1(重量比)だ。1グラム≒1ccのガソリンに対して、ざっくりと12リッターの空気と考えればいいだろう。もっとパワーが欲しい場合、この比率を濃くする。最もパワーが出る比率は12:1。ところが、これだと理論値に対して空気が少ないので、燃え残りが発生し、一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の排出が避けられない。
       50ccという極端な小排気量エンジンが実用に足りていたのは、混合気の吹き抜けを許容するバルブタイミングとパワー空燃比によるところが大きかった。2006年(平成18年)に厳しくなった規制によって、こういう無茶ができなくなった。何しろ原付一種の場合、COで85%、HCで75%、窒素酸化物(NOx)50%という削減率である。「85%に落とす」のではなく「85%削減する」のだ。

       さすがにキャブレターではどうやっても対応できなくなり、大排気量モデルはもとより、50ccスクーターに至るまでインジェクションが搭載されるようになった。しかし2016年(平成28年)にはEURO4規定が適用されて、これがさらに厳しくなった。

       ざっくり言って、半分近くまで削減するという高いハードルが設定された。新型車は2016年10月1日から、継続生産車と輸入車は2017年9月1日から適用となっている。つまり新型車は去年から、継続生産車も今年の夏以降生産ができなくなるというわけだ。(※著者注:国土交通省の告示では改正道路運送車両法の平成28年規制で排気量50cc以下で車両性能上の最高速度50km/h以下の車両を除外している。しかし、多くの原付一種は最高速度50km/hを超えることから除外を受けられないために生産中止になっている)

      ネクストジェネレーションは電動バイク?
       実は排ガス規制をクリアさせる方法は既に四輪車で確立されており、技術的にはできないことではない。精密な吸気量測定とインジェクション、それに三元触媒を組み合わせれば良い。
       しかし、この三元触媒は貴金属を原料としており、高価なものだ。低価格が売り物の原付一種に搭載できるかと言われれば難しい。コスト以外にもスペースの問題や、パワーダウンの問題があり、さらにこの排ガス対策装置の異常を検知する装置(OBD)の取り付け義務化などコスト増の要件が山盛りだ。排ガスとは関係ないが、アンチロックブレーキの義務化もある。
       さらに追い打ちをかけるのが、次回の規制だ。まだ検討中とは言うものの、2020年ごろを目安に、EURO4より厳しいEURO5の適用が検討されている。コスト増の吸収余力のある中型車以上ならともかく、50ccにはあまりにも厳しい条件である。

       こういう状況を背景にして2016年10月にはホンダとヤマハが原付一種領域における協業の検討を発表している(関連リンク)。規制は規制として、現実社会では50ccスクーターは必要とされているし、新聞配達に使われるビジネスバイクも「なくなりました」では済まない。

       しかし、これらのバイクもどうやらエンジン付きではなくなる目算が強い。ホンダとヤマハの協業発表のリリースを見ると、既に電動二輪車の普及が強く意識されているのが分かる。今年の3月には日本郵政とホンダは電動バイクの社会インフラ整備に向けた協業を発表している(関連リンク)。つまり長年慣れ親しんできた郵政カブも遠からず電動化されるということだ。
       そう遠くない将来、50ccのエンジン付き二輪車は日本から消える。これはもう疑いようのない流れだ。ホンダの加藤千明社長も、長期的に原付1種が内燃機関を主体として存続できるかどうかについて非常に厳しいという見解を示しており、電動化への流れを示唆している。

       興味深いのは電動二輪車と充電インフラは郵便事業や新聞配達のようにビジネスツールとして不可欠な仕組みの中に位置付けられていることだ。そこがアーリーアダプター向け商品を脱却できていない電気自動車とは違う。シビアなビジネスの場で揉まれることで、電動モビリティの基礎が築かれていく可能性はある。

      筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)
       1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

       現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。
      | 好きなこと(クルマ・バイク) | 08:55 | comments(0) | - |
      祈りと歓喜
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        JUGEMテーマ:ハイブリットカー

        今年もルマン24時間耐久レースはポルシェの勝利に終わった。通算19回目。

        今回はアウディも出なかったし、ハイブリッド決戦はトヨタvs.ポルシェであったが、勝利の女神はポルシェに微笑んだ。

         

        ハイブリッドも低燃費とかエコとかではない時代になって久しい。ハイブリッド市販車を世に問うたのはトヨタであったが、なかなか大きなタイトルのかかったレースでは勝てない。WECとかでは常連なのだが....

         

        インディ500、モナコGP、そしてこのルマンでの栄冠を勝ち得ることは難しい。佐藤琢磨がインディ500でチャンプになったので今年は期待していたのだが残念である。

        個人的にはトヨタの市販車を買うことはないだろうと思う。しかし、日の丸背負って戦いに行くなら応援する。フォーミュラワンのように勝てないうちに撤退してほしくない、と思う。

         

        レースには運がつきものだ。運こそ味方にして勝手こそ、本当の勝者なのだろう。このシビアなレースに勝ったことがある日本車は一台だけである。

         

        マツダ787Bのみである。

         

        今はネットのおかげでレースを観戦できる。ラスト10分くらいから、観客もピットの関係者も真剣に祈る。事故がないように、無事にレースが終わりますように、と。

        時計が00:00:00を示して、チェッカーフラグが大きく打ち振られたら、祈りは歓喜に変わる。 この歓喜はレースに参加したものすべてに共有される、と思う。 勝利を祝うもの、来年の再チャレンジを誓うもの、多くの思いがあると思う。

         

         

        | 好きなこと(クルマ・バイク) | 22:17 | comments(0) | - |
        スモーキー・ユニックの話をしよう
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          スモーキー・ユニック(ヘンリー・ユニック:1923年5月25日 - 2001年5月9日))と言う人がアメリカのレース界にいた。この人はエンジニアやデザイナーとしてルールブックにない方法を見つけてレースカーを作成し、人を出し抜くことに生きがいを感じていたらしい。 言い方を変えれば、ルールブックによって規制されている外側で勝負している人であった、ということであろう。

          個人で言えば、監査の仕事にはこの人はうってつけではなかったか。監査には業務監査といって法律や会社の規定に沿って業務が行われていることを確認する監査、と経営監査といって規則がない部分にリスクがないか、それを見ずに会社が運営されていないかということを確認する監査がある。
          規則を守っていれば世の中万事オーケー、というのはかなりダメな人で法律、規則の外側の陥穽に落ち来ないことの方がずーっと重要なのである、と個人的には思うのだ。つまり、法律や規則の外側で人を出し抜くと言うことは「何がダメか」を熟知している人であり、それを守りながら革新を実行できる人である。
          「勝つためには手段を厳守する人」であろうと思うのだ。

          この人はこんな形でルール運営者を出し抜いていた。
          ・屋根と窓を下げ、フロアを上げる修正を施す事で市販車両の7/8のサイズの車体を制作してレースに出た(このクルマは異常に速かったが車検には引っかからなかった)
          ・レース車両の燃料タンクの最大容量を規制に追加するために、燃料ラインの配管に2インチ(5cm)直径で11フィート(3m)の長さのコイルを使用した。当然規則には燃料ラインにコイルパイプは禁止、との明記はない。
          NASCARの役員はオーバルトラックに出走するユニックの車に対して、9項目の点検項目を考え付いた。疑い深いNASCARの役員は検査のために燃料タンクを取り外した。しかしユニックは燃料タンクのない車のエンジンを始動し、「10番目の項目を追加するこったな」と言い残して悠然とピットへ引き返した。

          これらは競争は公平なルールに基づいて行われる必要があるが、拘束がない部分では独創力を発揮できないと革新は起こらず、社会や制度は進化しない、と言うことではないかと思う。

          至言は多くある。
          ・「不正ってもんが存在する限り、それが無くなる事は絶対無えだろう。それが首尾よくやるためのただ一つの道であり、タネを知ってるのはたった一人だけなんだからな。」
          As far as cheating goes, they’ll never stop it. The only way it can be done successfully, only one person can know about it. ? Smokey Yunick
          ・「レーサーってのは2通りしかいねえよ。詐欺師と敗者のな。」
          ・「てめえがやってるのはクルマの競争じゃねえ。ルールブックの競争だろうが!」
          ・「もしお前さんがガラガラヘビとイチャつきてえなら、ガラガラヘビの事を良く知っておくこったな」

          関心がある方は、Wikiで「スモーキー・ユニック」で検索されたい。
          | 好きなこと(クルマ・バイク) | 07:50 | comments(0) | - |
          プリウスはタクシー向きか? >インプレ再考
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             今更感もあるのだが、2代目プリウスタクシーに乗って感じてみたことである。 そもそも、ルーフ後端が下がっているので後席は圧迫感が感じられる。しかもそのためか、シートバックが寝かされ気味になっているので乗り込んでしまうと金を払う段になって身を起こすことが大変に感じられる。 また、電池が積み込まれて重心が低いのはいいのだが、荒れた路面でカーブをこなす時、ロールが少ない感じで横Gが発生するのが乗り心地がよくない。 そもそも、サスペンションの初期沈みが少ないので細かいゆれに敏感な割には大きな突き上げが来るとドンと来る。 後席の住人としてはあまり居心地がいいとはいえないのだ。 プリウスは燃費はよいがランニングコストが高い。つまり、距離を稼ぐような使われ方をしないと投資の対象としては不適切なのだ。 営業車としてはいい出来であるが、ショーファードリブンな使い方に適していないのではないか? クラウンタクシー、コンフォート、プロボックスとかいわゆるプロ仕様車にハイブリッドを積み込む方がよいので、トヨタはHVのレトロフィット・キット、あるいは既存車のHV化をマジメに検討してもらいたいのだ。
            | 好きなこと(クルマ・バイク) | 21:46 | comments(0) | - |
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